2024年、製造業が直面した3つの大きな課題とは?

日本において、経済を支える中心的な産業のひとつとなるのが製造業です。「2024年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)」によると、2022年時点で製造業は業種別GDP構成比の約2割を占めています。

業種別GDP構成比

また、財務省の「法人企業統計調査」で製造業の営業利益の推移について見てみると、2020年の新型コロナウイルス感染症の感染拡大後は以前より高い水準にあります。

製造業の営業利益の推移

こうして製造業の利益は増えている一方、業界全体で少子高齢化による人材不足という大きな課題に直面しています。

①深刻化する国内市場での人材不足

2009年7月のリーマンショック後、日本国内の完全失業者数は364万人と大幅に増加しましたが、その後は減少傾向に転じて、2019年12月には156万人となりました。しかし、2020年に新型コロナウイルス感染症の感染拡大が起こったことで、再び完全失業者数が200万人を超える事態に陥っています。2024年2月時点では182万人にまで減少していますが、感染拡大前の数字には届いていません。

完全失業者数(季節調整値)及び完全失業率(季節調整値)の推移

製造業における就業者数を見ると、低下傾向で推移していることがわかります。全産業に占める製造業の就業者の割合では2023年にわずかに増加していますが、低迷から抜け出せてはいない状況です。

就業者数の推移

製造業における34歳以下の若者就業者の割合は2002年から2004年まで30.0%超えだったものの、2023年には25.0%程度にまで落ち込んでいます。また、65歳以上の高齢就業者の割合も2002年の4.7%から2020年8.8%までは増加傾向でしたが、近年は緩やかに低下して2023年は8.3%となっています。

こうしたデータからわかるように、人材不足に陥っている日本の労働市場の中でも製造業は特に顕著な影響がみられます。求人に対して応募数が少なく、離職率も高い製造業界では、人材確保への対策が重要な課題となっています。

②グローバル展開に対応する高度人材が不足

貿易収支の推移をみると、過去最大の貿易赤字となった2022年と比べ、2023年は「輸送用機器」の黒字が伸びて「鉱物性燃料」の赤字が減少したことなどによって貿易赤字額は約9兆円にまで回復しています。

貿易収支の推移

こうした需要を満たすため、生産を海外に移す企業も増えています。そのため、製造業界はグローバルに活躍できる高度人材をひとりでも多く確保したい状況です。

しかしながら、製造業において「能力開発や人材育成について問題がある」と感じている事業所の割合は2022年度で82.8%となっており、多くの企業で従業員の育成に満足な結果を得られていないことがわかります。問題の原因となっている点の内訳は「指導する人材が不足している」が61.8%と最も高い割合で、次に「人材育成を行う時間がない」、「人材を育成しても辞めてしまう」、「鍛えがいのある人材が集まらない」といった理由があげられています。

スキルを後継者に伝えるための取り組みとしては、「退職者の中から必要な者を選抜して雇用延長、嘱託による再雇用を行い、指導者として活用している」と回答する企業が70.5%と最も高い割合となっています。次いで「中途採用を増やしている」が49.1%、「新規学卒者の採用を増やしている」と「退職予定者の伝承すべき技能・ノウハウ等を文書化、データベース化、マニュアル化している」が30.3%と並んでいます。

製造業における能力開発は、指導する人材不足を退職者や中途採用者といった一定の能力・スキルを持つ人材の確保することで対応している企業が多数となりました。また、製造業の正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所の割合は、2008年度からほぼ6割を超える高い水準で推移しています。これだけの人材育成への動きはみられるものの、企業が実感する人材育成の効果は限定的となっています。

③デジタル人材の不足とデジタル化の遅れ

近年、AIやIoT、ビッグデータなどといった新しいデジタル技術が開発され、あらゆる場面で活用されています。製造業でも経済産業省の取り組みの中でDX化が推進されており、多くの事業所における先端技術を活用したエンジニアリングチェーンやサプライチェーンの最適化や製造に関わる技術のサービス化・プラットフォーム化を目指しています。今後の製造業において付加価値のQCD向上や事業機会の拡大を実現するには、製造業のDX化が必要不可欠です。

近年のものづくりの工程・活動におけるデジタル技術の活用状況については、「活用している」と回答したものづくり企業の割合が2019年は49.3%と半数程度でしたが、2023年には83.7%にまで大きく上昇しました。従業員数が301人以上の企業に限定すると、デジタル技術活用企業は9割を超えています。

ただ、デジタル技術の活用度合いは様々で、多くのデジタル技術を活用している企業と少数の企業とでは、デジタル技術の活用への取り組みや効果には差が出ます。6以上のデジタル技術を活用している企業の割合は、デジタル技術活用企業全体に対して13.4%にとどまり、従業員数300人以下のデジタル技術活用企業に至っては11.6%となっています。デジタル技術を導入していても5以下のデジタル技術活用企業が多く、大半の企業がデジタル化にいまだ遅れをとっていることがうかがえます。

こうしたデジタル化が進められると、製造業で働く人材にはデジタル化に対応できるスキルを身につけることが求められます。既存の人材でデジタル化に対応するとなると、先端的テクノロジーを活用するための人材育成が重要となり、グローバル展開に対応する高度人材の育成と同様、デジタル人材の育成は企業が抱える問題のひとつです。

デジタル人材の確保は「自社の既存の人材に対してデジタル技術に関連した研修・教育訓練を行う」「デジタル技術に精通した人材を中途採用する」と回答した企業が多くなっています。全体的に「デジタル技術に精通した人材を中途採用する」「デジタル技術に精通した人材を新卒採用する」「出向・派遣等により外部人材を受け入れる」の割合が高い一方、5以下のデジタル技術を活用している企業は「デジタル技術の活用は外注するので社内で確保する必要はない」とする割合が高めに出ています。

デジタル技術の活用に向けた人材確保の取組内容(複数回答)(従業員数の規模別)

5以下のデジタル技術を活用している企業は、6以上の企業に比べ、人材の確保や育成に対する意識が低い傾向が見られました。DX化が推進されていても、デジタル化の度合いやデジタル人材確保への取り組みに遅れをとっている企業は少なくない結果となっています。

平山の「現場改善」と「人材育成」で製造業を支援

株式会社平山では「設備と敷地を持たない製造業」「人材輩出企業」を標榜し、「人に付いた技術で日本のモノづくりを支援する」をコンセプトに人材育成に邁進しています。

また、一般的な請負に依頼すると現場改善に対する提案を受けるのは難しいですが、弊社ではコンサルタントがお客様の製造現場を改善し、請負推進課を中心とした本社機能が現場の請負事業所をバックアップします。

① 現場改善で「利益率」と「効率」を同時に向上

現場コンサルティングのイメージ

製造業に特化した株式会社平山の強みは、コンサルティング部門と連携した請負体制をとっていることです。コンサルタントが現状調査を行なって課題を抽出し、お客様と共にあるべきゴールを目指して常に改善サイクルを回してまいります。

問題点の洗い出し、解決策の提案、現場の指導だけで、私たちのコンサルティングは終わりません。施策は的確だったか、確実に実行されたかを随時チェック・分析し、確かな結果が出るまで徹底したサポートを行うことで、利益率の向上を実現します。

現場の悩みは、個々の環境により異なります。品質、生産性、納期などの問題点から、製造ラインやフローの見直し、現場作業員のモチベーションをアップするための施策、システムの改善や情報の活用の仕方、そして海外展開まで、幅広い実績とノウハウを持つ私たちが、すべて解決します。経験豊かなコンサルタントが、TPS(Toyota Production System トヨタ生産方式)も取り入れ、作業実施部隊と連動した実効性の高いコンサルティングを国内外問わず提供しています。

TPSはムダの削減や納期短縮、自働化など、実効性のある方式として世界中の製造業が注目しているシステムです。TPSをベースに、私たちの実績とノウハウをプラスした独自のコンサルティングを体系化することで、より短期間で導入でき、効率を重視した確かな成果が期待できます。

②グローバル人材を的確にご提供

新市場の開拓やコスト削減のため、製造業の海外進出は今後も加速していくことが見込まれます。こうした需要にも、弊社では海外展開のノウハウとコミュニケーションの両面からサポートすることができます。

外国籍エンジニアのイメージ

株式会社平山では、グローバル人財の活用としてミャンマーの優秀大学であるマンダレー工科大学と連携するなどグローバルで活躍できる人財サービスを提供しています。そのため、英語ネイティブで且つ日本語素養をもったミャンマーやタイ、ベトナム、中国、韓国、台湾、インドネシアなどの外国籍エンジニアによる対応が可能です。

現地作業者への教育や品質管理の不安などを解決し、お客様の海外進出を成功へと導きます。

③製造現場へのDX化をご支援

DX認定ロゴ

製造コンサルティングや製造請負事業を手掛ける株式会社平山は、2024年6月1日付で経済産業省が定める「DX(デジタルトランスフォーメーション)認定事業者」に認定されました。DX認定制度とは、「情報処理の促進に関する法律」に基づいて「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度です。

弊社では製造業界を主体としたDXの推進として2023年12月1日に「DX推進ビジョン」を策定し、現在の急速なデジタル革新に対応するため、新サービスの開発や生産性向上、DX人材の育成、業務の最適化などの取り組みを行なっています。

「人材不足」「DX化」でお困りなら平山にお任せください

製造業界が直面する「人材不足」と「DX化の遅れ」という課題に対し、株式会社平山は独自のノウハウと強力な支援体制でサポートします。

人材不足の解決:現場改善と育成プログラムの提供

私たちは「日本のモノづくりを支える製造支援会社」として、現場改善と人材育成を通じて、製造業の持続可能な成長を支援しています。製造現場ごとの課題に応じた改善提案や、指導体制の強化、若手技術者の育成プログラムを提供することで、効率化と離職防止を図ります。また、グローバル人材の確保にも注力しており、多国籍の優秀なエンジニアが貴社の生産力向上に貢献します。

DX化による競争力強化:最新技術と生産性向上の推進

技術者派遣業界で唯一、日本ディープラーニング協会に加盟している平山グループでは、AIに対する積極的な取り組みを行なっています。製造業界のさらなる自動化及びAI技術活用サービスを展開して「新サービス開発」や「生産性向上」、「DX人材育成」などに取り組み、私たちが成功モデルを作ることで日本のDX推進に貢献します。

社会課題やお客様の事業課題を解決するため、株式会社平山は信頼できるパートナーとして貴社の成長を支えます。株式会社平山のサービスにご興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。

人材教育事業

「現場改善コンサルティング」「製造請負」「製造派遣・人材紹介」という事業の中で培った社員教育ノウハウを活かし、出張セミナー研修運営等さまざまな人材教育事業を提供しております。

研修・セミナーの内容もご要望に応じてカスタマイズすることもできます。人材の育成・教育にお悩みでしたら御気軽にお問い合わせください。

出張研修のコンテンツ一例

・安全衛生 / 「安全配慮義務セミナー」 「職長教育」  「安全管理者専任研修」 等
・改善 / 「トヨタ実践道場」  「IEの基礎」 「職場改善の進め方」 等
・コスト / 「コストダウン手法」 「実践・原価管理」 「企業会計財務諸表の見方」 等
・新卒関連 / 「社会人としての心得とマナー」 「生産活動と5Sの基本] 等
・生産 / 「生産管理の基礎」 「5S」 「TPMと設備保全」 等
・品質 / 「現場で役立つ品質管理」 「現場力を高めるISO9001」 等
・マネジメント / 「仕事のムダの改善と問題解決」 「管理者の役割と責任」 「労務管理とメンタルヘルス」 等
・労務 / 「法務研修」 「適正請負セミナー」 「派遣法セミナー」等

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製造派遣

短期的な人員の補充には「派遣」、正社員雇用が必要な場合は「紹介」という形で、お客様のご要望にマッチした、即戦力となる人材をお届けいたします。

製造業における技術はもちろん、「充実した教育体制(ソロフライトプラン)」と「カウンセリングシステム(ココロケアサポート)」を取り入れ、ヒューマンスキルも備えた優秀な人材を育成しております。

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開発&設計技術者派遣事業

「機械設計」「電気電子設計」「ソフトウエア開発」「プラント設計」など、高度な技術力を要求されるこれらの分野でも高い評価をいただいています。

トップレベルのスキルを持つエンジニアから、サポートを行うスタッフまで、幅広い技術者を取りそろえて、お客様の開発環境の最適化を支援しています。開発&設計技術者派遣事業については、平山グループ内の(株)トップエンジニアリングが担当いたします。

TOP ENGINEERING INC.

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