今回は、FSE推進部の田中敦彦さんに行なったインタビューの内容をお伝えします。
田中さんは研修センターのセンター長を務めており、設備保全研修の講師をされています。また、株式会社平山の半導体研修を立ち上げた方でもあり、現在も半導体保全領域の人材育成を担っていらっしゃいます。
数々の人材育成・輩出を行なってきた田中さんに、株式会社平山の設備保全研修・半導体研修についてお話を伺いました。
所属部署はインソーシング派遣事業部のFSE推進部で、関東研修センターを預かっております。研修センター長の田中です。
主な業務内容は、設備保全領域の技術者を育成する研修の実施です。作業者と技術者の派遣カテゴリーがある中で、設備保全は概ね中間に位置付けられ、未経験者を対象に保全保守や機器メンテナンスの技術者へと育成・輩出しています。
設備保全の基本スタンダード研修は、ヒューマンスキルと呼ばれる社会人の基礎になる研修を1日行うところから始まります。次に、未経験者が多いので機械保全に関する安全の心得や機械・電気の基本的な取り扱い等を16日間かけて学び、その後は取り扱う機器の種類を増やしていくことになります。研修期間内には工具や計測器の取り扱いを毎日行う日々の訓練で「出来る」を体得させ、研修終了後には経験者に見えるレベルに到達します。
半導体に関して学ぶ際は「半導体はどこに使われているのか」「半導体はどんな作り方をされているのか」といった基本から学習します。
このように設備保全のスタンダード研修は、約26日間かけてヒューマンスキル、機械保全、半導体に関する保全要項を学びます。
また、派遣先企業様のリクエストや拠点メンバーとの事前協議に基づき入職時に有効な「低圧電気取扱業務特別教育」「産業用ロボットの教示等特別教育」「SEAJ(半導体製造装置協会)推奨安全教育」など、受講証書の付与に加え他にもオプションとして各種の教育証書や資格を付与するコースも取り揃えております。
保全領域の未経験者に大事なことは「頭の切り替え」です。これまでは定時までの拘束時間が決まっている業務だったのが、これからは物事が終わるまでの業務になります。これが大きなポイントです。
もう一つは、保全領域で「解らない/習っていない」は通用しないため、「探る/調べる/学ぶ」という意識の切り替えをしていただきます。わからなければ調べる、詰まれば学ぶ、探し物がなければ探すというように意識を変えることによって、次第に行動パターンも変わってきます。
この研修では、こうしたマインドチェンジに軸足を置いてやっています。
皆さんは研修を始めて大体2週間で頭の切り替えが起こり、マインドチェンジができるようになっています。
物に触って興味を持ってもらうという意識改革に力を入れています。研修教育という言葉を考えると、教育は通り一遍詰め込むような趣旨ですが、研修にとって一番大事なことは学ぶ心の芽生えを促すことです。「研修が終われば、何でもできるスーパーマン」とはならないので、自ら学ぶ意識付けをするところに力点を置いて研修を実施しています。
研修の中で六角レンチやラチェット、スパナ、メガネといった工具を毎日取り扱っていると、ぎこちなかった扱い方が、研修センターを出て行く頃には「工具を取り扱ったことがある人だな」と目に見えてわかるほど上達します。ネジ・釘があればバラバラになったものがスッと組み立てられるわけではない、ネジを端から目一杯閉めれば良いものではないというところや研修用治工具の建て付けを、自ら工具を使って学んでいくことで意識改革を行なっています。日々の訓練でできなかったことができるようになった経験が糧となり、配属先でもうまく立ち回れるような人材に仕上がっていきます。
半導体研修の場合、肉眼で見えるものがほとんどないので、顕微鏡などの機器を多く使います。こうした機器の取り扱いに慣れてもらうため、研修センターに揃えてある半導体の現場で使用する実機を取扱って頂きます。どういう仕組みで、どういった薬液やガスを使い、どうやって特性/機能を持たせているかという構造と仕組みの理解と併行して、実機の操作、分解、調整をもって学んでもらいます。
研修は、配属先でどう立ち回れるかのスタートにしかならず、それを教える場です。未経験であるからこそ、実技を伴わないと覚えてもらえない、興味を持ってもらえないという切り口で臨んでいます。
やはり、積極的に機器に触れて学んでいくというカリキュラムの組み方が、平山独自の強みのひとつだと感じます。座学で朝から晩まで頭に詰め込むのではなく、実機を触って座学を少し挟むことを繰り返していくので、実技に長けた人材の育成ができています。
また、高いスキルを持った講師が複数人で指導していることも優位な点と捉えています。「こういう持ち方がやりやすい」「私はこのぐらいで切っているよ」といったように、細かい手元のアドバイスができる、専門性の高い講師が揃っています。
10年以上前から弊社社長の方針で、日本産業の主軸となる半導体業界へ輩出できる人材を増やしたいとの考えがあり、ご縁があって私が半導体業界への人材育成を担うこととなりました。
最初、半導体研修に使う設備・機器類が弊社に何もなかった点が一番苦労したところです。半導体の設備は高額なため、必要な設備と予算の兼ね合いを上層部とも検討しました。全ての半導体工程を網羅する事は無理なので、保全業務の領域で実機操作が多い設備選定を中古機器扱い企業で選定し、優秀なスタッフと選定機器の修理と改造を行い機能修復したうえで研修内容の試行錯誤を繰返して、やっと今の形になりました。
約3ヶ月以内である程度の設備を揃え、軽く教えられる状態にしました。半導体研修の準備はいろいろと苦労しましたが、研修機器設備の立ち上げに没頭できる期間を頂けたので、設備の選定期間を含めても1年以内に現在の研修センターを揃えることができました。
心がけていることは、研修生に対して皆平等に接することと、指導すべきことはその場で伝えることです。慣れないことを学んでいる中、後から溜め込んで様々なことを注意してしまうと、理解が難しくなってしまうことがあります。研修は未経験者を対象にしているため、わかりやすい指導となるよう、注意することが出たタイミングで注意することにしています。
モットーにしていることは、「計画は細心に、行動は大胆に」です。私自身、半導体業界にいた期間が長かったので、些細な失敗が大金を伴う損失に繋がる場面を経験しています。一方で、些細な思いつきやひらめきが膨大な利益を生むこともあります。両方見てきて、綿密な計画を立てた上で思い切って実行に移せるかが、軌道に乗るかどうかの分かれ道と考えています。例えば、実際に装置を導入して新技術をする場合、計画は細かく立てて、行動に移す時には大胆にやり切らないと、このプロジェクト自体が当たるものだったのかどうか判断できません。今まで携わった開発案件における計画・実践の中で、この思考回路に辿り着きました。
日頃から、研修生に対して褒めるところをたくさん伝えるようにしています。研修生は複数の講師と関わるので、ほかの講師の人にもサポートを頼みながら、研修生のメンタルを気にかけています。
また、教育課などの別部署からもメンタルフォローに入ることがあります。気持ちが不安定になってしまった研修生とは色々お話をしながら、多角的にみんなで助け合っています。
株式会社平山では、お客様のニーズに合わせた人材育成を行なっております。
半導体の保全領域に関しては、まだ立ち上げから日が浅いですが、半導体市場におけるニーズの高まりに対して、だいぶ準備が整ったかなというところです。また、保全だけではなく、半導体のオペレーター研修も行なっております。2・3日かけて研修を行い、半導体の現場にスムーズに入れる人材も育成しています。
人材育成の成果というのは数値化できるものではないため、現在の研修カリキュラムの内容が時代に合っているのか、お客様のニーズを満たせているのかといった点を評価することが難しい側面があります。ユーザー目線の貴重な意見、いわゆる辛口意見などもいただける機会を大切にし、ご意見を研修カリキュラムに反映させながら、よりお客様の要望に沿った人材の輩出を目指しています。
ぜひ株式会社平山をご贔屓に、今後ともよろしくお願いいたします。
平山グループは「インソーシング・派遣事業」と「技術者派遣・受託開発事業」を主たる事業としており、「人に付いた技術で日本のモノづくりを支援する」をコンセプトに即戦力となる人材を育てています。
生産年齢人口の減少傾向が続く日本は、年々、人材獲得の競争が激しくなっており、人材確保や定着率が大きな課題となっています。あらゆる企業の人材需要に応えるべく、株式会社平山はこれからも人材育成に注力し、日本のモノづくり業界を支える製造支援企業として日本産業の繁栄に貢献していく所存です。
「現場改善コンサルティング」「製造請負」「製造派遣・人材紹介」という事業の中で培った社員教育ノウハウを活かし、出張セミナーや研修運営等さまざまな人材教育事業を提供しております。
研修・セミナーの内容もご要望に応じてカスタマイズすることもできます。人材の育成・教育にお悩みでしたら御気軽にお問い合わせください。
・安全衛生 / 「安全配慮義務セミナー」 「職長教育」 「安全管理者専任研修」 等
・改善 / 「トヨタ実践道場」 「IEの基礎」 「職場改善の進め方」 等
・コスト / 「コストダウン手法」 「実践・原価管理」 「企業会計財務諸表の見方」 等
・新卒関連 / 「社会人としての心得とマナー」 「生産活動と5Sの基本] 等
・生産 / 「生産管理の基礎」 「5S」 「TPMと設備保全」 等
・品質 / 「現場で役立つ品質管理」 「現場力を高めるISO9001」 等
・マネジメント / 「仕事のムダの改善と問題解決」 「管理者の役割と責任」 「労務管理とメンタルヘルス」 等
・労務 / 「法務研修」 「適正請負セミナー」 「派遣法セミナー」等
短期的な人員の補充には「派遣」、正社員雇用が必要な場合は「紹介」という形で、お客様のご要望にマッチした、即戦力となる人材をお届けいたします。
製造業における技術はもちろん、「充実した教育体制(ソロフライトプラン)」と「カウンセリングシステム(ココロケアサポート)」を取り入れ、ヒューマンスキルも備えた優秀な人材を育成しております。
「機械設計」「電気電子設計」「ソフトウエア開発」「プラント設計」など、高度な技術力を要求されるこれらの分野でも高い評価をいただいています。
トップレベルのスキルを持つエンジニアから、サポートを行うスタッフまで、幅広い技術者を取りそろえて、お客様の開発環境の最適化を支援しています。開発&設計技術者派遣事業については、平山グループ内の(株)トップエンジニアリングが担当いたします。
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