設備保全エンジニアとは?

近年はデジタル化社会が進み、あらゆる分野でめざましい技術の進歩を遂げています。ビジネスでもデータやデジタル技術を活用するDXが推進されており、政府の施策によるバックアップも着実に整えられています。産業界におけるデジタル技術の活用は、企業の業務効率化や生産性向上、ひいては日本経済の活性化に繋がると期待されている改革です。

こうしたDX推進に伴って、昨今はデジタル化された設備をメンテナンスできる人材が強く求められています。なかでも、生産設備の維持が要となる製造業は設備保全エンジニアの存在が必要不可欠です。

そこで本記事では、企業活動を支える設備保全エンジニアの仕事について詳しく解説していきます。

設備保全エンジニアの概要

設備保全エンジニアとは、設備の点検や修理といったメンテナンスを行う技術者のことを指します。

従業員が安心して働ける環境かつ、安定して業務を遂行できる体制を整えるためには、まず工場などの機械や設備を安全に稼働させなければなりません。設備の故障は企業の金銭面の損失に繋がるだけではなく、時に従業員を巻き込む事故を引き起こすこともあります。

設備保全エンジニアは、ものづくりに携わる人と企業を支える、重要な役割を担う仕事です。

設備保全エンジニアが活躍する場面

多くの業界で機械や設備が使われていますが、特に設備保全が重要となるのはものづくりの現場です。製造業の工場にとって、生産に欠かせない機械の保全は一番注意を向けなければなりません。機械の稼働が滞ってしまうと生産が間に合わなくなり、企業の大きな損失に繋がってきます。

こうした事態に陥らないよう、製造現場では機械や電気システムなどの設備を日頃からチェックし、万が一、トラブルが発生した際には迅速な対応ができる人材が必要になります。製造現場における設備保全エンジニアは機械のお医者さんのような役割で活躍し、製造業の企業を支えています。

設備保全エンジニアの仕事内容

設備保全エンジニアの業務は、大きく分けて「予防保全」「予知保全」「事後保全」の3種類があります。

予防保全は、設備の正常な稼働を保つためのメンテナンスを指します。機械トラブルが起こる前に日頃から点検を実施し、安定した生産が続けられるように設備を守ります。
予防保全の中でも「時間基準保全」と「状態基準保全」の2つの業務に分けることができます。
時間基準保全とは、あらかじめ設備の部品交換やメンテナンスのタイミングを決めておき、スケジュールの時期が来たら実施する方法です。設備の状態に関わらず決めたタイミングでメンテナンスを行い、設備の不具合を防止します。
一方、状態基準保全は設備の状態をチェックして、必要に応じた部品交換やメンテナンスを行います。計画したメンテナンスをすべて行う時間基準保全とは違い、状態基準保全は設備の状況に応じたメンテナンスを実施するため、部品交換などのコストを必要最小限に抑えることができます。

設備のトラブルを予測してメンテナンスを実施する方法を、予知保全といいます。故障が起きそうな音や異変がないかを厳密に調べ、適切なタイミングでメンテナンスを行なって設備を守ります。
近年はデジタル化が進んだことによって、設備のデータを取得してトラブルの予兆や適切な対処を解析することもできるようになっています。

事後保全は、設備のトラブルが起きた後に実施する保全活動です。設備に不具合が発生した際に、生産業務への影響を最小限に抑えるため、迅速に修理を行います。
不具合の原因を早急に解明して解決策を導き出し、修理した後は再発防止策を考えるまでが事後保全の業務内容です。

設備保全エンジニアのスキル

設備保全を行う上での大切なスキルとしては、「設備のノウハウ」「高い注意力」「臨機応変な対応」が挙げられます。

設備を扱うには、やはり機械の専門知識と取り扱う技術が必要です。ただ設備を稼働させるのとは違い、未然にトラブルを防いだりトラブル発生時に素早く修理したりするには、より詳しい設備の専門知識をもとに対処できるスキルを培っていかなければなりません。機械工学などの理系分野の理解力も大切となるでしょう。

設備保全エンジニアは、細部にまで神経を使って機械と向き合う業務となります。日頃の点検や不具合の原因究明には、わずかな異変を感じ取る注意力が重要です。異変をうっかり見落としてしまうと、損失の拡大や大きな事故にも繋がりかねないため、冷静に注意を持続させる力が求められます。

予期せぬトラブルが発生した際には、臨機応変な対応力が迅速な復旧の鍵を握ります。設備の不具合はいつもマニュアル通りに対処できるとは限りません。原因究明と修理を素早く安全に行うためには、あらゆる可能性を考えて適切な取捨選択と優先順位をつけることが大切です。

設備保全エンジニアの重要性と今後の展望

製造業において、設備保全は業績を大きく左右する重要なファクターのひとつといえます。安全かつ安定的な生産は設備の保全なくしては成り立ちません。

デジタル技術を使った設備の自動化で人手が必要な業務が減ってきてはいるものの、設備保全は人間による感覚と作業が欠かせない業務です。テクノロジーの進化であらゆる性能は上がっても、機械はどうしても不具合や故障が起きてしまうため、人による作業に頼らざるをえません。そのため、設備保全エンジニアはAIに代替されにくく、この先もものづくりを支えていく職種としてニーズは途切れないでしょう。

しかし、専門的知識や技術が求められる設備保全エンジニアは、ニーズに対して人材確保が追いついていないのが現状です。設備に関する豊富な知識と技術力を持つ人材に育て上げるには、時間や金銭面などでコストがかかります。また、導入されている設備は各製造現場によって異なっているため、設備保全エンジニアを採用しても、現場で必要なスキルが不足しているなどのミスマッチが生じてしまうケースは少なくありません。

株式会社平山では、こうした慢性的な設備保全エンジニアの不足や需給バランスの崩れを解消するため、各企業の求めている人材を「オーダーメイド」で育成・研修・派遣するサービスを展開しています。

設備保全という仕事にモチベーションのある人材を確保し、十分なスキルを習得することが可能な専門研修で人材育成をしています。設備保全エンジニアとしての知識や技術が身についた人材は、その人の適性に合った勤務先への配属に向けてさらなる技術習得をした上で、即戦力として各企業のサポートをいたします。

お客様の要望に沿った技術者を育成・配属することで、各現場と設備保全エンジニアのミスマッチを防ぐ派遣サービスとなっています。

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設備保全エンジニアのまとめ

日本の少子高齢化に歯止めがかからない昨今、デジタル技術による業務効率化はますます進んでいくものと考えられます。

テクノロジー技術が進歩しても、設備保全において人のサポートは不可欠なものです。自動車や半導体など、様々な分野のものづくり企業で工場設備の自動化が増えるにつれ、設備保全エンジニアの需要は今後も高まっていくでしょう。

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